ダイドーグループホールディングス株式会社

直近の業績を見てみよう

2024年度(2025年1月期)の業績

2025年3月4日更新

2024年度の業績概要について教えてください。

2024年度の連結売上高は、前年同期比11.2%増の2,371億円、営業利益は前年同期比28.3%増の47億円となりました。海外飲料事業において主力のトルコ飲料事業の躍進に加え、2024年2月に取得したポーランドの飲料会社ヴォサナ社の増加効果により、連結で増収・増益となりました。
ヴォサナ社についてはこちらをご覧ください。

2024年度連結決算の概要
2024年度連結決算の概要
2024年度のセグメント別業績
2024年度のセグメント別業績
2024年度の営業利益の増減要因(前年同期比)
2024年度の営業利益の増減要因(前年同期比)
国内飲料事業

2023年5月及び同年11月に実施した価格改定により販売単価が上昇したものの、販売数量は減少し、減収となりました。利益面では、自販機チャネルにおける販売数量減による売上総利益の減少に加え、スマート・オペレーションの進化や展開に伴う費用、電子マネー利用手数料、自販機稼働台数増加に伴う費用など、自販機ネットワークの強化に向けた費用が増加したほか、サプリメント通販チャネルにおける新規定期顧客の獲得に向けた上期の積極的な広告投資により、減益となりました。
スマート・オペレーションについてはこちらをご覧ください。

海外飲料事業

主力のトルコ飲料事業において、高インフレが継続する中で戦略的な価格改定や機動的な販売促進を行ったこと、また、中東問題を受けた一部商品への特需を継続的な受注へと繋げるべく、積極的な営業活動を実施したことなどにより、増収となりました。利益面においても増収効果やサプライチェーン改革などによるコスト削減により、大幅な増益となっています。また、ポーランドのヴォサナ社が本年度より連結対象に加わり、海外飲料事業全体で大幅な増収・増益となりました。
ヴォサナ社についてはこちらをご覧ください。

医薬品関連事業

ドリンク剤市場は縮小傾向にあり、当社においても販売は減少しましたが、パウチ容器入りの指定医薬部外品の受注が引き続き好調で、過去最高の売上高となりました。 利益面では、2025年度以降に市場環境の変化や生産設備の老朽化を鑑みた生産体制の再編を本格的に実施していく予定の中、再編に関連する費用の一部を2024年度にも計上したことで、減益となりました。
大同薬品工業の生産体制の再編についてはこちらをご覧ください。

食品事業

2024年3月に実施した価格改定による販売単価の上昇や、年間を通じた温暖な気候の継続、営業活動の奏功により、国内の販売は堅調に推移するも、主力輸出先である中国の景気減速の影響を受けて海外向け輸出が苦戦し、減収となりました。
利益面では、価格改定や原価低減施策による売上総利益の増加、また、工場の生産性改善が進んだことなどを背景に増益となり、過去最高の営業利益となりました。

希少疾病用医薬品事業

ダイドーファーマ株式会社において、2024年9月に設立からわずか5年で、ランバート・イートン筋無力症候群の筋力低下の改善を適応症とした治療薬「ファダプス🄬錠10mg」の製造販売承認を取得しました。その後、2025年1月に販売を開始し、希少疾病用医薬品事業として初の売上高を計上しました。
※効果的な治療薬のない希少疾病に苦しむ患者様に治療薬をお届けすることを目的に、2019年に設立した当社の連結子会社。世界のバイオベンチャーが開発する希少疾病用治療薬について、日本での製造販売権を獲得し、開発・承認取得をして、苦しむ患者様に新規治療薬をお届けするビジネスを展開しています。

2025年度の業績予想について教えてください。

トルコ飲料事業において、引き続き超インフレ会計を適用し、会計上の調整をすることとなりますが、現地点では、為替およびインフレ率の見通しが不透明で、合理的な影響額を算出することが困難なことから、通期業績予想につきましては未定とし、ご参考として超インフレ会計適用前のセグメント別業績予想を開示しております。
主力の国内飲料事業において、機動的な価格戦略により売上高の回復を見込むことや、急成長中の海外飲料事業において、引き続き好調な販売状況を見込んでおり、増収を計画しています。一方で、昨今の原価高騰による影響に加え、先行投資の続行や、原価高騰による影響、グループのITセキュリティ強化に向けた費用が発生することなどから、利益面は苦戦する見通しです。

超インフレ会計適用前セグメント別業績予想
超インフレ会計適用前セグメント別業績予想
超インフレ会計の適用について教えてください。

海外飲料事業の主要国であるトルコにおいては、インフレが急速に進行しています。3年間の累積インフレ率が、100%に近づいているかまたは100%を超えた場合、国際会計基準に定められる要件に従い、会計上の調整を行うことが求められます。

IAS第29号「超インフレ経済下における財務報告」の概要
中期経営計画2026について教えてください。

当社グループでは、2030年のありたい姿であるグループミッション2030「世界中の人々の楽しく健やかな暮らしをクリエイトするDyDoグループへ」の実現に向け、2019年~2030年までの期間を3つのステージに分けたロードマップを策定しています。「中期経営計画2026」はそのセカンドステージである「成長ステージ」の経営計画であり、「国内飲料事業の再成長」「海外飲料事業戦略の再構築」「非飲料領域の強化・育成」の3つの基本方針のもと、グループ全体を成長軌道へと乗せていきます。
昨今の原価高騰などによる外部環境の急激な変化や当社の取り組みによる内部体制の変更などにより、策定から3年が経った2025年3月に目標となる指標や各事業の戦略の見直しを実施しましたが、当初より掲げているめざす方向性に変更はありません。今後もありたい姿に向け邁進してまいります。
※中期経営計画2026について、詳しくはこちらをご覧ください。

  • 2019
    2022
    2027
    2030
  •  [ 利益イメージ ]
    計画ベース
    成り行きベース
    投資戦略により、
    利益が目減りする部分
    中期経営計画2026
    中期経営計画2026
  • 基盤強化・投資ステージ
    成長ステージ
    飛躍ステージ
  • (2020年1月期 ~ 2022年1月期)
    (2023年1月期 ~ 2027年1月期)
    (2028年1月期 ~ 2030年1月期)
スマート・オペレーションについて教えてください。

2019年度からスマート・オペレーションの展開を開始し、2022年度にダイドービバレッジサービスの全営業所への展開が完了しており、2024年度からは新たに子会社となったアサヒ飲料旧傘下の子会社や共栄会の一部への展開を開始しています。また、2023年7月からはスマート・オペレーションへAI機能を導入し、さらなる生産性の改善に取り組んでいます。
今後も、継続的な改善により、自販機業界のトップランナーとして業界をリードし続ける存在をめざします。
※当社機のオペレーションを行うパートナー企業の総称

スマート・オペレーションとは?

将来的に労働力が不足する中でも、日本全国の自販機網を維持し、お客様の「いつでも手軽に飲料を手に取れる」ニーズにお応えし続けるために、ダイドードリンコが独自に取り組む自販機運営の効率化体制のことです。自販機は運営している時こそ無人であるものの、商品の補充や空き容器の回収、自販機の清掃など、その管理には多くの人手を必要とします。
スマート・オペレーションでは、自販機に通信部材を取り付けることで、その中の商品の在庫状況を常に把握できるようにします。これにより、補充が必要な数量の商品を、自販機ごとに事前にトラックへ準備をすることができます。こうしたデジタル技術の活用や分業化によって、管理にかかる仕事の仕組みそのものを抜本的に改革することで、自販機運営にかかる業務負担の軽減と生産性の向上をめざしています。

スマート・オペレーション
ダイナミックベンディングネットワークについて教えてください。

ダイドードリンコは、2022年9月15日にアサヒ飲料と自販機事業に関する包括的業務提携契約を締結し、2023年1月23日に、ダイドードリンコが議決権の66.6%を持つ合弁会社「ダイナミックベンディングネットワーク」を設立しました。新会社では、ダイドードリンコ、アサヒ飲料それぞれの自販機直販事業を担ってきた販社を傘下に置き、自販機の一体型運営を行っていくことで、スケールメリットを生かしながら、効率的かつ高品質なオペレーションを追求しています。

ダイナミックベンディングネットワークの直近の取り組み

ダイドードリンコが培ってきたスマート・オペレーションを旧アサヒ飲料子会社に導入すべく取り組みを進めているほか、傘下子会社のさらなる一体的運営を進めるため、ダイドービバレッジサービス株式会社は、2025年1月21日付でアサヒ飲料販売株式会社を吸収合併し、社名をダイドーアサヒベンディング株式会社に変更しました。
今後も、協業によるスケールメリットを活かしつつ、スマート・オペレーションを軸に効率的かつ高品質なオペレーションを追求し、自販機市場における確固たる優位性を確立していきます。

ダイナミックベンディングネットワークの直近の取り組み
ポーランドの清涼飲料会社Wosana S.A.(ヴォサナ社)について教えてください。

2024年2月にポーランドで清涼飲料の製造・販売を行うヴォサナ社の株式を取得しました。ヴォサナ社はポーランド国内において果汁飲料やミネラルウォーター等の清涼飲料の製造工場を所有し、自社ブランドの製造・販売に加え、大手小売企業のプライベートブランドや他社飲料ブランドの受託製造を担っています。自動化の進んだ生産ラインや複数のビジネスモデルを強みに安定的な利益を創出しています。
ヴォサナ社の買収により、今後も持続的な経済成長が期待されるポーランド国内において、安定した利益を生み出すビジネスモデルを獲得することで、海外飲料事業全体の利益基盤の強化をめざします。また、将来的にはトルコ飲料事業をはじめとしたグループ企業との協業や、ヴォサナ社を足掛かりとした欧州への事業拡大の可能性を検討していく予定です。

ポーランドの清涼飲料会社Wosana S.A.(ヴォサナ社)について
大同薬品工業の生産体制の再編について教えてください。

大同薬品工業は、医薬品・医薬部薬品のドリンク剤やパウチ製品の受託製造に特化したビジネスを展開しています。大同薬品工業を取り巻く市場環境は、近年、ドリンク剤市場は縮小傾向にあるものの、パウチ製品は旺盛な需要により市場が拡大しており、大同薬品工業においても、2020年に製造を開始したパウチ製品の売上高に占める割合が、年々増加してきています。こうした状況を踏まえて、今後、ドリンク剤のライン縮小とパウチラインの増設を実施し、需要の変化への対応と工場の生産性の向上に努めていきます。

大同薬品工業の生産体制の再編について
カーボンニュートラルに向けた取り組みを教えてください。

当社グループは、グループミッション2030の経営指針の一つに「環境価値」を掲げ、CO2排出削減に向けた目標を定めています。2050年までに自販機ビジネスにおけるカーボンニュートラルを実現すべく、ステークホルダーと協働しながら業界を率先した取り組みを進めていきます。

脱炭素社会への貢献に向けたCO2排出削減目標
  • CO2排出削減目標
    2030年までに、国内飲料事業における自社排出(Scope1・2)※におけるカーボンニュートラルを実現
    • ※ダイドードリンコ株式会社、ダイドービバレッジサービス株式会社、ダイドービジネスサービス株式会社
  • CO2排出削減目標
    2050年までに、自販機ビジネスにおけるカーボンニュートラルをめざす(自社排出+自販機の電力消費による排出※)
    • ※ダイドービバレッジサービス株式会社によるオペレーション自販機のCO2排出量(Scope3)
  • CO2排出削減目標
    2030年までに、国内主要グループ会社※1の自社排出量 (Scope1・2)を50%削減※2(2020年比)
    • ※1 ダイドードリンコ株式会社、ダイドービバレッジサービス株式会社、ダイドービジネスサービス株式会社、大同薬品工業株式会社、株式会社たらみ
    • ※2 売上高原単位(対象グループ会社の排出量合計÷売上高合計)にて算出

■ ダイドービバレッジサービス株式会社は、2025年1月21日付でアサヒ飲料販売株式会社を吸収合併し、社名をダイドーアサヒベンディング株式会社に変更しました。

ダイドードリンコにおけるCO2排出削減のイメージ
具体的な取り組み~Love the EARTHベンダーの展開~
具体的な取り組み~Love the EARTHベンダーの展開~
ダイドーグループの人的資本経営について教えてください。

当社は、2024年4月に人的資本経営を事業戦略と連動した実行性の高いものとするため、「ダイドーグループがめざす人的資本経営」を策定しました。
当社グループは、人財に求める資質として「志」を中心に、「チャレンジ精神」「成長意欲」「達成意欲」「自律心」を重視しています。この 5つの資質を持つ人財の成長・活躍を支援するために、 人財一人ひとりの主体的なキャリア形成を支援する仕組み「DyDo キャリア・クリエイト」を導入しました。また、多様な価値観が尊重され、誰もが能力を発揮できる心理的安全性を重視した組織開発を行い、心身ともに健康で、一人ひとりが最大限の力を発揮できる“ワークライフシナジー”を実現できる環境づくりを行います。これらの取り組みにより5つの資質を兼ね備え、高い成果を出し続ける人財、すなわち自律型プロフェッショナル人財を育成いたします。当社グループは、この人的資本経営の方針に基づき、人財とのエンゲージメントを高めながら、国内外の事業において変化への対応力・価値の創出力を向上させ、事業の持続的な成長を実現していきます。
詳しい内容はこちらをご覧ください。

ダイドーグループの人的資本経営